ファンドのパフォーマンス評価において、様々な手法(ディーツ法、厳密法など)があります。ここでは、運用会社で主に使われるパフォーマンスの計算方法をご紹介します。
そもそも何故パフォーマンス評価において、様々な手法があるのでしょうか?それは計算方法に各々のメリット・デメリットがあるからです。
Excelを使って計算させたファイルも載せていますので、数式だけではイメージが付きにくい方は、こちらのページの最後のExcelファイルをご参照ください。
修正ディーツ法とは
上記の式が修正ディーツ法の計算式です。修正ディーツのメリットは、評価期間中の収益率を一定とみなして計算を行う事から、入出金がある毎に再計算を行う必要がありません。
デメリットは、全体の評価額と比較して大きな入出金があった場合には、その影響を大きく受けてしまいます。
ディーツ法とは
ディーツ法は、修正ディーツ法よりもさらに簡便化したもので、期中のちょうど真ん中でキャッシュフローが発生すると仮定した計算方法です。こうすることで入出金に対する運用期間を把握する必要もありません。
この方法は最も簡単に計算できる一方で、正確性に欠けます。
日次厳密法とは
最後に、日次厳密法は最も正確なパフォーマンス計算が可能です。一方で、修正ディーツ法とは違い、キャッシュフローが発生する度にポートフォリオを評価し直さなければならない為、事務負担が最も大きいです。
下記に例として、7月の収益率を各計算式で算出しています。今回は、キャッシュフローを比較的小さくし且つ、月の真ん中辺りでキャッシュフローを発生させていますが、キャッシュフローが発生するタイミングが極端に期初や期末に寄っている、もしくはキャッシュフローの金額が評価額に対して凄く大きかったりすると各手法の収益率は乖離します。
通常はやはり厳密法での計算が望ましいですが、キャッシュフローが大きくない場合など状況によっては、修正ディーツ法の収益率でも問題ないと思います。
こちらからファイルをダウンロードできます。
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